先生の想い
幼稚園時代-初めての習い事-
私の初めての習い事は、幼稚園の課外音楽教室でした。
当時、音楽教室でオルガンを弾くことが楽しかったので、家に帰ってからの「遊び弾き」が大好きでした。
ある日テキストのページをめくってみると、譜面が変?製本ミスだったのでしょうか、
楽譜の半ページがなかったのです。
今だったらコンビニのカラーコピーで速攻解決なのですが、当時はそんな便利なものがありませんでした。母がテキストを借りてきて、父がそのページを丁寧に写し書きしてくれました。
木立に粉雪が降りしきるような挿絵を父と一緒に色鉛筆で塗ったことはとても懐かしく、ヘ音記号のドシラソ、ドシラソ〜の楽譜だったことを今でも覚えています。
小学生時代-ピアノ教室-
小学生になり近所にピアノ教室ができたことをきっかけに、ピアノの個人レッスンに通うようになりました。
先生のお宅の扉を開けると、いつも変わらない明るい声で「はい、いらっしゃい(^ ^)」と出迎えてくださる優しい笑顔が大好きで、レッスンの日が本当に楽しみでした。
わたし自身、両親が音楽家でも何でもない家庭で育ちました。ピアノに関して両親は殆ど傍観者でしたが、たまに「今度の曲は、いいねぇ」などコメントがあったりすると、(聞いてるんだな〜)と嬉しかった気がします。
中学校ではバスケットボール部でしたが、ピアノはマイペースで続けていました。
音大受験
高校生になり、音大受験を前にレッスンをしていただいた先生は、帰り道に涙が出てしまうこともしばしばでしたが、ある日レッスンの終わりに「帰りにここに行ってみるといい」と1枚のチケットとチラシをくださいました。
受験のことで精神的にもいっぱいいっぱいだった私が見て取れたのでしょう。
そこは国立西洋美術館だったのですが、それは素晴らしい寄り道のすすめでした。
上手くやろうとか完璧を目指そうとすると、そこばかりに執着してしまって、本当の意味での音楽の醍醐味が味わえないのですね。
絵画や文学そして音楽、あらゆる芸術は(誰かに何かを伝えたい)という思いが、まず根底にあるように思います。
心の解放や自分らしく音楽と向き合うこと、そのためにもいろいろなことを幅広く吸収することの大切さを学びました。
今、音楽と共に生活できるしあわせの原点、音楽を楽しみ勉強することを支えてくれた両親や家族に、そして恩師の方々に心から感謝しています。
ピアノ教室への想い
2011年〜約4年間、タイのバンコクで生活しており、駐在員家庭のお子さまたちのピアノレッスンをさせていただいた時期もありました。
初代ホームページのトップ写真は、このバンコクでの生徒さんたちとのお写真でした。
(バンコクでの第3回発表会での集合写真は私にとって、大切な1枚となりました)
10人の生徒さんがいたら、たとえ同じ楽譜を使っていたとしても10通りのレッスンがあります。
わたしは、自身が教えを受けた素晴らしい恩師のように、
「ピアノの演奏技術だけでなく生徒さんの気持ちに寄りそい、最適なアドバイスができる教師」でありたい、そして生徒さんにとって、「次のレッスンが楽しみになるようなピアノ教室」でありたいと思います。
みどりピアノ教室 川村みどり